異所性脂肪とは本来脂肪が付く場所とは異なる場所に蓄積する脂肪のこと!管理栄養士が解説します!

洋ナシとリンゴ体型の脂肪を蓄えすぎた男女のイラスト画像

管理栄養士のダイエットコラム 異所性脂肪 特集!

「体脂肪」と聞いて、ドキッとする方は多いのではないでしょうか。
健康診断で「痩せましょう」「脂肪を減らしましょう」と言われる人はまだまだ多く、現代人の課題の一つとも言えます。

健康診断表の画像

そもそも体脂肪は、食べ物の不足が多かった時代には、生き延びるためのエネルギー(カロリー)を、おもに「皮下脂肪」として身体に貯めておく大切な機能でした。

しかし飽食と言われる現代、炭水化物や脂肪によってカロリーを摂りすぎた結果、皮下脂肪や内臓脂肪に収まらなくなった脂肪は、本来付くべきではない場所にも付いてしまうようになりました。
それが「異所性脂肪」です。

今回は、気になる「異所性脂肪」について説明します。



異所性脂肪とは

近年、テレビなどで皮下脂肪と内臓脂肪に続く「第三の脂肪」として、「異所性脂肪」という言葉を耳にするようになりました。
その名前が示す通り、本来脂肪が付く場所とは異なる場所に蓄積する脂肪、という意味です。

体脂肪のうち「皮下脂肪」は、身体の表面近くに蓄積する脂肪のことを指します。
そして「内臓脂肪」は、内臓の周辺に蓄積する脂肪です。

異所性脂肪は、この2つ以外の場所……たとえば、肝臓の組織の内部に入りこむように蓄積する脂肪や、筋肉の中に付いてしまう脂肪などのことを言います。

これまでも、たとえば肝臓に脂肪がついた状態を「脂肪肝」などのように呼んでいました。
皮下脂肪と内臓脂肪以外の場所に付く脂肪をまとめて「異所性脂肪」と呼ぶようになったということですね。

イメージとしては、肝臓に脂肪がついた状態は「フォアグラ」、筋肉に脂肪がついた状態は「霜降り肉」といったところでしょうか。
脂の乗った高級な食材ですが、できれば自分の身体はあまり脂を乗せたくないものですね。

異所性脂肪の原因

端的に結論から申し上げると、異所性脂肪が付く原因は「エネルギー(カロリー)の摂りすぎ」です。
食事から摂取した糖質や脂質がエネルギーとして使われなかった場合、糖や脂質は体脂肪に変化して、身体に蓄積されます。

この時、最初に付くのは皮下脂肪、次に内臓脂肪として蓄積され、最後に異所性脂肪になると考えられています。
一説には内臓脂肪と異所性脂肪は同時に並行して付くとも言われていますが、いずれにしろ「皮下脂肪に収まりきらなくなった脂肪が、異所性脂肪になる」ということです。

皮下脂肪の許容量には個人差がありますので、見た目に太っていない人でも、皮下脂肪の許容量が少ないだけで、実は内臓脂肪や異所性脂肪が多く付いているということもあります。
特に日本人は、皮下脂肪の許容量が少ない傾向にありますので、内臓脂肪や異所性脂肪が付くリスクは高いと言われているのです。

異所性脂肪があるかどうかの検査方法

皮下脂肪は、見た目に肥満がわかりやすいです。
身体全体に脂肪が付くことが多く、特に腰回りから脚にかけての下半身に脂肪がつきやすいのが特徴です。

いわゆる「洋ナシ型」の体型になるのが、皮下脂肪型の肥満です。
内臓脂肪はお腹の周辺についているため、腹部のCTスキャンやMRIなどで検査することができます。
見た目にもお腹がぽっこり出る「リンゴ型」の体型になりやすいのが、内臓脂肪型の肥満です。

リンゴ型と洋ナシ型のイラスト画像

しかし異所性脂肪は、肝臓や筋肉など「身体の内部」に付くために見た目からはわかりにくく、また場所も様々なところに付く可能性があるため、検査するのは難しいです。
まずは定期的に健康診断を受け、血液検査のデータから中性脂肪やコレステロール、γ-GTPなどの値を確認し、異常がないかを調べるところから始めるのがよいでしょう。

これらの値に異常がある場合、異所性脂肪が付いている可能性が高くなるのです。
血液検査で異常があるかもしれないとわかったら、あらためて肝臓などの臓器や筋肉に異所性脂肪が付いていないかを検査することになります。

異所性脂肪と糖尿病・心臓病の関係

体脂肪が増えると健康に良くない、というのは、みなさまもイメージされているかと思います。
では、具体的に何が良くないのでしょうか?

一つは、糖尿病の発症や悪化の可能性があります。
膵臓に脂肪が付くことを「脂肪膵」と呼びますが、これも異所性脂肪のひとつです。

膵臓は、血糖値をコントロールするホルモンの「インスリン」を分泌する臓器なのですが、脂肪が付くことで働きが悪くなり、分泌が弱まってしまいます。
インスリンの分泌が弱くなると、高血糖による血管の障害や、長く続くと糖尿病の恐れがあるのです。

また、筋肉組織に脂肪が付く異所性脂肪の場合も、糖尿病のリスクが上がります。
血中の糖は、筋肉に取りこまれてエネルギーとして消費されるのですが、脂肪が付いていると糖を取り込む働きが弱くなるのです。

筋肉に糖が取りこまれなければ、血中に糖が余ってしまうため、これも糖尿病のリスクになります。
異所性脂肪の悪影響としては、心臓病との関係もあります。

心臓の周辺に脂肪が付いてしまった場合、心臓を動かすための酸素や栄養を運ぶ血管に悪影響を与えることがあります。
これによって心筋梗塞のリスクが上がると言われているのです。

特に、女性より男性の方が心臓の周辺に脂肪が蓄積しやすい傾向にあるため、よりリスクが高いと考えられます。
また、異所性脂肪が多く蓄積している人は血中の脂質や悪玉コレステロールも高い傾向にあるため、血管や心臓に関わる病気のリスクは高いでしょう。

異所性脂肪を減らす方法

異所性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪に収まりきらなかった余剰なエネルギー(カロリー)が、脂肪となって蓄えられている状態です。
つまり、原因となっている余分なカロリーを減らすことで、異所性脂肪は減らすことができます。

まず食事面では、食べ過ぎに注意すること。
特に、ごはん・パン・麺などの炭水化物や、揚げ物などの油、スナック菓子などの糖質は、つい食べ過ぎてしまっているという方もいらっしゃるでしょう。

炭水化物や糖質が多い食事は、食後に血糖値が急上昇しやすくなります。
血糖値が急上昇すると、その時に消費しきれない糖が余りやすくなり、余った糖が脂肪になって蓄積されてしまうのです。

さらに、血糖が脂肪に変わると血糖値が下がるため、脳はエネルギー不足と判断し、空腹感を覚えるという悪循環にもつながります。
炭水化物や糖質は身体に必要な栄養素ですが、摂りすぎには注意しましょう。

炭水化物を我慢している女性の画像

また、朝食を抜いたり、夕食に極端に偏ったりする食生活も、脂肪が蓄積しやすい食生活と言えます。
たとえ1日の合計カロリーが適正でも、一度に「ドカ食い」してしまうと、食後に血糖値が急上昇し、使い切れなかった血糖が脂肪に変わりやすいのです。

食事の内容としては、野菜などから摂取できる食物繊維が不足すると、血糖値が急上昇しやすくなります。
平均的な日本人の食生活では、実は野菜は必要な量を摂れていません。

食事は1日3食、特に野菜を意識して取り入れることで、異所性脂肪が消費しやすい食生活になるでしょう。
食事と同じくらい大切なのは、運動です。

異所性脂肪や内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて運動によって落としやすいと言われています。
ウォーキングや、ジムでの筋力トレーニングを始めるというのも良い方法ですが、普段の生活の中に「歩く」「自転車をこぐ」などの運動を取り入れるだけでも効果があります。

よく言われているのは「ひと駅歩く」というものですが、車をよく使う方であれば「駐車場では、少し遠くに停めて歩く距離を長くする」というのも、積み重ねれば立派な運動です。
体を動かすのに慣れて、気持ちいいと感じられるようになったら、ぜひウォーキングなども始めてみてはいかがでしょうか。

そして重要なことは、食事や運動の習慣は、続けなければ意味がないということです。
元の食生活に戻り、運動しなくなってしまうと、再び異所性脂肪が付きやすくなってしまいます。

長く続けるためには、無理せずにできる所から始めましょう。
少しずつ改善するというのが、異所性脂肪を減らすためには大切なのです。




異所性脂肪 記事執筆者情報

異所性脂肪 記事を執筆した男性管理栄養士のイラスト

【はじめ先生のプロフィール】
年齢:35歳
好きな食べ物:東南アジア料理、肉料理、お酒
趣味:サイクリング、食べ歩き

病院と福祉施設で、栄養士・管理栄養士として約8年勤務し、糖尿病のエネルギーコントロール食など、様々な病気に合わせた献立づくり・食事づくりや、減量・減塩などの食事に関するアドバイスを行ってきた経験を持ちます。

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