管理栄養士がわかりやすく期待できる効果を解説! ダイエットサプリの成分
目次
特定保健用食品にも使われる「難消化性デキストリン」
近年、ダイエット系サプリメントで使用されることが増えているのが「難消化性デキストリン」です。
水に溶ける性質を持った食物繊維の一種で、食事と同時に摂取することで、余分なものをカットする効果が期待できます。
食物繊維は、お腹の調子を整える成分として知られていますが、実は食事で摂取した栄養の消化や吸収を遅らせる性質も持っています。
その性質を利用し、特定保健用食品では「血糖値の上昇をおだやかにする」「脂肪の吸収を穏やかにする」などの表示が許可されているのです。
血糖値の急上昇は、ダイエットの大敵と言われています。
エネルギーとして使い切れなかった糖が体脂肪に変わりやすくなるだけでなく、急上昇した血糖値は急降下するという性質があるため、空腹感も覚えやすくなるのです。
難消化性デキストリンを配合したサプリメントは、間食がやめられない方にもオススメと言えるでしょう。
菌活ブームで一躍注目を浴びた「乳酸菌」
「乳酸菌」と言えばヨーグルトが有名ですが、実はダイエット系サプリメントにも使用されていることが多い成分です。
体内の菌のバランスを整えることで、身体の調子を整えようという「菌活」は、2013年にホクト株式会社が提唱して、今ではすっかり定着しました。
乳酸菌を積極的に摂取することで、体内の善玉菌を増やし、老廃物の排出をサポートしてくれるとも言われています。
また、菌のバランスを整えると免疫力も上がるという研究結果も発表されていますので、身体全体の健康効果も期待できますね。
サプリメントに配合されている乳酸菌は「生きているタイプ」と「殺菌されているタイプ」がありますが、それぞれにメリットがあります。
生きているタイプは、生きたまま体内に取り入れることができるものが多く、殺菌されているタイプであっても、善玉菌の活動をサポートしてくれます。
「L-カルニチン」は、ダイエット系サプリの王道成分
いわゆる燃焼系の成分として知られているのが、この「L-カルニチン」です。
タンパク質を構成している「アミノ酸」の一種で、脂肪をエネルギーに変えるために重要な成分として、ダイエットやトレーニングの業界で注目されています。
適度な運動と組み合わせることで燃焼をサポートしてくれる成分なので、近年では多くのサプリメントや健康食品に配合されている、王道の成分と言えるでしょう。
L-カルニチンは体内で合成することができるアミノ酸ですが、加齢によって合成する量が減ると言われています。
そのため、アスリートやダイエットをしている方は、食事やサプリメントなどで補充するのが望ましいでしょう。
ちなみに、食べ物では牛肉やラム肉など、赤色の濃い肉に多く含まれている成分です。
スッキリ系成分ですが、摂取量には注意!「キャンドルブッシュ」
サプリメントやお茶などには「キャンドルブッシュ」が配合されていることがあります。
毎朝のスッキリしない悩みにアプローチする成分「センノシド」が含まれている、ハーブの一種です。
サプリメントや健康食品に共通して言えることではありますが、特にキャンドルブッシュが配合されている場合には、摂取量に注意しましょう。
過去にキャンドルブッシュの過剰摂取で体調を崩してしまうという事故があったため、消費者庁からも注意喚起がなされています。
サプリメントや健康食品は「たくさん摂れば、より効果がある」というものではありませんので、ご自身の体質に合わせて使用するというのが大切です。
「香辛料抽出物」は、燃焼系とめぐり系に多く配合
「香辛料抽出物」と表示されている場合、どのような香辛料から抽出された成分かによって期待できる効果は異なります。
コショウや唐辛子などの香辛料から抽出した成分を配合しているサプリメントは、いわゆる「燃焼系」と呼ばれるものが多いです。
たとえば黒コショウであれば「ピペリン」という辛味成分、唐辛子であれば「カプサイシン」という辛味成分が知られています。
過去に「カプサイシンダイエット」が流行しましたが、これらは運動の燃焼効果を高めると言われており、サプリメントや健康食品に配合されていることが多いです。
また、ショウガの抽出物の場合は「パラドール」などの辛味成分を含んでいます。
ショウガは漢方の世界でもよく使われている生薬のひとつで、冷たい手足が気になる方によく使用される「めぐり系」の成分を含んでいます。
香辛料抽出物の場合、原材料をよく見て、目的によってサプリメントを使い分けることが重要ですね。
チャコールダイエットで一躍有名になった活性炭(新ダイエット成分)
ダイエット系のサプリメントや健康食品には、粉末にした「活性炭」が配合されているものがあります。
活性炭は、海外では健康意識の高いモデルさんや女優さんの間で流行した「チャコールダイエット」に使用された食材です。
通常の炭とは異なり、活性炭は特殊な加工によって内部に細かい穴がたくさん存在しており、いろいろな物質を吸着する性質が特徴です。
身近なところでは冷蔵庫の消臭剤などにも利用されている成分で、その場合はにおいのもとになる成分を吸着する目的で使用されます。
その炭を飲むと聞くと、少し違和感があるかもしれませんが、たとえば医療の業界では、過剰摂取の治療として、胃の中の物質を吸着させるために使用されることがあります。
使用する量を守っていれば、安全と言えるでしょう。
サプリメントや健康食品においては、いわゆる「カット系」に分類される成分です。
食事から摂取した脂質などを吸着し、消化・吸収されにくくすることを目的に配合されています。
活性炭は水をはじきますが、脂質や糖質などの有機物をよく吸着するという性質がありますので、ダイエット中にカットしたい成分がカットできるというわけです。
ただし、身体に必要なビタミンなどの栄養素も吸着する性質がありますので、栄養不足にならないためには食事の内容や摂取タイミングにも注意する必要があります。
たとえば、糖質や脂質の多い間食と一緒に摂取するというのは良い方法でしょう。
逆に、ビタミン剤などのサプリメントと合わせて使うと、せっかくの栄養素が吸着されてしまう恐れがあります。
また、ドリンクタイプの場合は、飲みやすくするために同時に甘味料を配合することが多いのですが、作ってから時間がたつと、活性炭が甘味料を吸着してしまうため、その点にも注意しましょう。
1日の摂取量や飲み方は、各サプリメントや健康食品のパッケージの表示を守って使用することが大切です。
ちなみに活性炭は、それ自体の大きさよりも多い量を吸着することはできませんので、ドリンク系の健康食品などである程度の量を摂取する方が、多く吸着できると言われています。
糖ケア成分のギムネマ(注目のダイエット成分)
「ギムネマ」は、正式には「ホウライアオカズラ」という植物のことです。
糖尿病対策のハーブとして、長く使われてきた歴史のある植物で、健康茶やダイエット系のサプリメントに配合されていることがあります。
ギムネマには「ギムネマ酸」という独自の成分が含まれています。
ギムネマ酸を口にすると、一時的に砂糖の甘味を感じなくなることから、昔から「砂糖を分解する」と言われてきました。
甘味を感じなくなる=砂糖を分解している=糖尿病やダイエットに良い!
……というイメージで使われていたとされていますが、実際には砂糖を分解する効果はありません。
ただし、動物実験では糖の吸収を阻害するという結果が出ていますので、ダイエット系のサプリメントでは「カット系」の成分として配合されているようです。
残念ながら砂糖は分解しませんでしたが、健康食品や健康茶として長く使われているだけあって、血糖値の急上昇を抑える効果は期待できると言えるでしょう。
血糖値と言えば糖尿病というイメージがありますが、実はダイエットにとっても血糖値は大切です。
炭水化物の多い食事のあとには、血糖値が急上昇します。
血糖は筋肉や脳のエネルギー源として使用されるのですが、その時に使い切れなかった糖は、体脂肪として身体に蓄えられてしまうのです。
また、血糖が体脂肪に変わると血糖値が急降下し、脳は「エネルギー不足」と判断して、空腹感を覚えるようになっています。
こうなると、体脂肪がついてしまう上に、おやつが欲しくなるということです。
この悪循環を防ぐためには、血糖値の急上昇を抑えて、筋肉や脳にゆっくりとエネルギー源を供給するのが大切。
「ギムネマ」は、糖の吸収をゆっくりにすることで、ダイエット効果の期待を高めると考えられるのです。
健康食品やプリメントで「ギムネマ」を使用する場合、食後や食事中の飲み物の置き換えとして摂取するのがオススメです。
食事と同じタイミングで摂取することで、食事に含まれる炭水化物(糖質)の吸収をおだやかにし、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
また、ギムネマ茶を食事中に摂取してもよいでしょう。
ただし、ギムネマなどのサプリメントは、あくまで「ダイエットの補助」です。
摂取しているだけで「他に何もしなくても痩せる」ということはありません。
間食の習慣がある方であれば、ギムネマを摂取したあとには惰性で間食を食べるのではなく、自分の身体に「本当に間食を食べたい?」と確認してみましょう。
血糖値が安定してお腹がすいていないということもあるかもしれません。
間食の代わりにお茶だけで満足できるようになれば、ダイエットの成功も近づくでしょう。
ホワイトビーンズと呼ばれる白インゲン豆はサプリではないと摂取が難しい成分
ダイエット系サプリメントで使用されている「ホワイトビーンズ」は、料理にも使われることがある「白インゲン豆」のことです。
サプリメントの原材料には「ホワイトビーンズ抽出物」あるいは「白インゲン豆抽出物」と表記されています。
白インゲン豆と言えば、以前話題となった「白インゲン豆ダイエット」をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2006年にテレビ番組で紹介されたダイエット方法なのですが、番組内で紹介された後に実践した視聴者が食中毒を起こしたことで、よくない意味でも有名なダイエット方法です。
ただし、これは白インゲン豆に問題があったわけではなく、番組内で紹介された調理方法に問題がありました。
白インゲン豆には「ファセオラミン」という成分が含まれています。
アメリカでもダイエット系のサプリメントに使用されている成分で、でんぷんなどの炭水化物を消化する「アミラーゼ」という酵素の働きを邪魔する性質があります。
そのため、炭水化物の消化・吸収を遅らせる、いわゆる「炭水化物カット系」の成分です。
しかし、白インゲン豆には生のままでは有害な種類の「レクチン」という成分も含まれています。
そのため、十分に水を吸わせて煮ることで加熱分解する必要があります。
ただ、この調理の過程では「ファセオラミン」も分解されてしまうため、通常の調理では「有害なレクチンを分解しながら、ファセオラミンを残す」というのは難しいです。
(テレビ番組で紹介されたのは「フライパンで炒る」という方法ですが、有害なレクチンを分解することができず、食中毒の原因になりました)
サプリメントに含まれている「ホワイトビーンズ抽出物」「白インゲン豆抽出物」の場合は、有害なレクチンを含まない成分なので、安心して摂取することができます。
ファセオラミンの特徴は、消化酵素の「アミラーゼ」の働きを阻害し、消化・吸収を遅らせる性質です。
消化・吸収がゆっくりになることで、血糖値の急上昇を抑えることができると言われています。
血糖値は、急上昇すると使い切れなかった糖が体脂肪に変わってしまいます。
逆に、食後の血糖値の急上昇を抑えることができれば、筋肉や脳のエネルギーとして消費しやすくなるので、体脂肪に変わるのを防いでくれるのです。
サプリメントだけではなく、食事や間食から摂取する炭水化物の量を見直すことで、ダイエットの効率はさらに上がるでしょう。
食べ過ぎてしまう方におすすめのキトサン
キトサンは、カニなどの甲殻類の殻から抽出される「キチン質」を加工して作られている成分です。
人間の消化酵素では消化や吸収ができない、難消化性食物繊維の一種です。
ダイエットに関心のある方であれば、食物繊維の重要性はご存知かと思います。
おなかの調子を整える栄養素として知られている食物繊維ですが、そのほかにも食事から摂取した炭水化物や脂肪などの吸収を邪魔する性質も重要です。
炭水化物や脂肪の吸収を邪魔することで、吸収をおだやかにし、食事の満足感を長く持続させるなどの嬉しい効果も期待できます。
またキトサンの特徴としては、食事で摂取した脂肪の吸収を促進する「胆汁酸」を吸着して排出する点も見逃せません。
現在は動物を用いた試験の結果にとどまっていますが、キトサンが胆汁酸を吸着することで、脂肪の吸収が抑えられる効果も期待できるということです。
胆汁酸はコレステロールから作られるので、胆汁酸が排出されることで、新しい胆汁酸を作るために血中のコレステロールを消費するとも言われています。
これらの特徴から、キトサンは特定保健用食品(トクホ)としても認められており、たとえば「コレステロールの高い方向け」などの表示が許可されています。
キトサンを含む健康食品やサプリメントを使ってダイエットをする場合、いくつか注意したいポイントがあります。
まずは摂取するタイミングですが、食事から摂取した炭水化物や脂質の吸収を抑えるという特徴から、食事の前後に摂取するのがオススメです。
また、一度に大量のキトサンを摂取した場合、体質によってはおなかの調子を悪くし、便秘などの症状が見られることがあります。
サプリメントや健康食品に共通して言えることではありますが、キトサンも「たくさん摂れば、よりよい」というものではありません。
パッケージなどに表示されている摂取量を守って使用しましょう。
アーユルヴェーダで使われているハーブの一種「コレウスフォルスコリ」
「コレウスフォルスコリ」は、別名「フォルスコールサヤバナ」とも呼ばれる、インドやネパール原産のシソ科の植物です。
インドの伝統医学である「アーユルヴェーダ」で使われているハーブの一種で、一般的にも料理などに用いられています。
いわゆるダイエットサプリの中では「めぐり系」の成分を含むと言われており、アーユルヴェーダでもめぐりの改善を目的として使用されてきたハーブです。
近年では、特に根に多く含まれる「フォルスコリン(フォースコリー)」と呼ばれる成分がダイエットをサポートしてくれるとして注目されています。
しかし、民間療法的に「呼吸器によい」「血圧によい」「目によい」「ダイエットによい」と言われてはいますが、科学的な実験結果や論文はあまり多くありません。
現状、成人を対象にした試験結果は、アメリカのものが確認できています。
BMI26以上の、肥満傾向の男性30名を2つのグループに分け、片方にはコレウスフォルスコリ抽出物が含まれたサプリメントを、もう片方にはプラセボ(偽薬)を摂取しました。
12週間摂取して比較をしたところ、コレウスフォルスコリを摂取したグループは、体脂肪量の低下が見られたという結果があります。
また、BMI25~35の女性19名を対象にした実験の論文もありますが、こちらは7名にコレウスフォルスコリを摂取してもらった結果、空腹感と満腹感が低下したものの、体重低下は認められなかったという結果でした。
現状ではまだまだ試験結果が少なのですが、今後新たな情報が出てくる可能性がある成分と言えるでしょう。
なお、副作用などの情報としては、先の女性を対象にした実験結果で血液検査などに悪影響はないとのことでした。
健康な成人が摂取する分には、危険性のない成分と言えるでしょう。
中鎖脂肪酸とも呼ばれるMCTオイル
「MCTオイル」とは、その名前の通り「油」です。
しかし、通常の油とは成分が異なっており、体内に吸収された時にエネルギーに変わりやすいという特徴を持っています。
「MCT」とは「Medium-chain triglyceride」の略で、日本語では「中鎖脂肪酸」と呼ばれるものです。
これに対して、通常の油(植物油)は「長鎖脂肪酸」を多く含んでいます。
油の構成成分である「脂肪酸」は、鎖(chain)のように長く連なった分子の形をしています。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸の約半分の長さの分子からなる成分で、消化・吸収の効率がよく、また体内でエネルギーに変わりやすい性質を持ちます。
長鎖脂肪酸は、ゆっくり消化・吸収され、体内に貯蔵されやすいという性質を持ちます。
ダイエットにおいては、身体に脂肪として蓄積しにくい中鎖脂肪酸の性質は嬉しいですね。
「MCTオイル」は、油の構成成分である脂肪酸が、100%中鎖脂肪酸のものを指しています。
通常売られている油の中にも、中鎖脂肪酸の割合が高いものもありますが、より純粋な中鎖脂肪酸オイルということですね。
「MCTオイル」がよく使われるのは、某スポーツジムの減量方法から大きな話題となった「低炭水化物ダイエット」です。
油ですから炭水化物を一切含んでいませんし、体脂肪として蓄積しにくい性質も理にかなっています。
そのため「低炭水化物ダイエット」の効率的なエネルギー源として「MCTオイル」が選ばれるというわけですね。
ごはんなどの炭水化物を減らして、MCTオイルをコーヒーや豆乳、野菜ジュースなどの飲み物に混ぜて飲んだり、ドレッシングの材料に使ったりと、料理に混ぜて使われています。
逆に言えば、MCTオイルは「いつもの食事にプラスして摂取するサプリメント」ではないということです。
冷静に考えてみれば、MCTオイルは油ですから、大さじ1杯で約135kcalと、ごはん1/2膳程度のエネルギー(カロリー)があります。
医療や介護の業界では、少量で高カロリー、さらに消化・吸収がよいという性質から、病気や高齢化のために「体重が減りすぎている」方への補助食品としても使われているのです。
「体重を増やす(維持する)」ためにも使われるMCTオイルは、その性質を理解して使わなければ、体重が増えてしまうこともあると考えられます。
くれぐれも、摂取しすぎには注意しましょう。
食事の前後に摂取したいガルシニアエキス
「ガルシニアエキス」は、ガルシニアカンボジアという植物の果実から抽出したエキスです。
ガルシニアカンボジアに含まれる「ヒドロキシクエン酸」という成分によって、余分なエネルギーを作り出すのを邪魔すると言われています。
この性質から、ダイエットの業界では、いわゆる「カロリーカット系」として知られている成分です。
サプリメントの原材料としては、「ガルシニアエキス」のほかに「ガルシニア抽出物」とも表記されています。
さて、レモンなどの果物に含まれる「クエン酸」の名前は、耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
「ヒドロキシクエン酸」は、このクエン酸によく似た別の物質です。
クエン酸は、体内でエネルギー源として使われます。
糖質や脂質がエネルギーとして使われる際にも、クエン酸が体内で作られてエネルギーを生み出すという仕組みになっているためです。
しかし、エネルギーとして使われずに余ったクエン酸は「脂肪酸」に変わり、体脂肪になって身体に蓄積してしまいます。
そこで「ヒドロキシクエン酸」を摂取していると、クエン酸がエネルギーに変わるところに混じることで、余分なエネルギーを作るのを邪魔するのです。
エネルギーが少しずつ作られる結果、余りにくくなるため、体脂肪に変わるのを遅らせることができると言われています。
ただしヒドロキシクエン酸は、あくまでクエン酸がエネルギーに変わるのを遅らせるだけです。
運動不足などでエネルギーを消費できなかったり、食べすぎたりしていると結局は体脂肪に変わってしまうので、注意しましょう。
「ガルシニアエキス」を含むサプリメントを使用するタイミングは、食事の前後がオススメです。
食事から摂取された糖質や脂質がエネルギーに変わる際に「ヒドロキシクエン酸」が体内に存在することが重要ですので、食事と一緒に摂取するようにしましょう。
また「ガルシニアエキス」は、ラットによる動物実験ではありますが、過剰摂取によって健康に悪影響を与える可能性が報告されています。
サプリメントは「たくさん摂取すれば、よりよい」というものではありませんので、使用量を守って使用しましょう。
漢方の世界では生薬として用いられる「ヒハツ抽出物」
「ヒハツ」とは、コショウに似た風味を持つ、コショウ科の香辛料です。
別名は「ロングペッパー」や「ヒバーチ」で、香辛料が充実しているスーパーマーケットなどで並んでいることがあります。
漢方の世界では「蓽撥(ひはつ)」と呼ばれ、消化器官のトラブルにアプローチする生薬として用いられています。
コショウにも多く含まれている「ピペリン」という辛味成分を多く含んでおり、俗に「冷えによい」「高血圧によい」「ダイエットによい」と言われています。
スパイスに含まれる辛味成分にはいろいろなものがありますが、いわゆる「燃焼系」の成分として、研究が進められています。
唐辛子の辛味成分「カプサイシン」は特に有名な燃焼系成分ですが、脂肪の中に含まれる「エネルギーを消費する脂肪細胞」である「褐色脂肪組織」の働きを活性化するという研究結果が存在しています。
他にも、ショウガなどに含まれる「パラドール」や、にんにくの辛味成分「アリシン」についても研究が進められており、ダイエット系業界のみならず、生活習慣病の予防に役立つのではないかと期待されています。
同じ辛味成分の仲間である「ピペリン」の燃焼効果についてはまだまだ研究が進められている途中ではありますが、ダイエット系サプリメントに配合されていることがあり、口コミのレベルでは効果があったという声もあります。
今後の研究にも期待される成分です。
漢方の世界では生薬として用いられる「スピルリナ」
健康食品などに含まれ、時に「スーパーフード」と呼ばれる「スピルリナ」は、藻類の一種です。
熱帯のアルカリ度の高い湖などに生息し、顕微鏡で観察するとバネのようならせん状(スパイラル状)になっていることから「スピルリナ」と名付けられました。
その特徴は、タンパク質とβ-カロテン、そして食物繊維が多く含まれている点です。
ダイエット系のサプリメントでは、食事量が減りがちなダイエット中の栄養補給を兼ねた成分として配合されていることが多いようです。
タンパク質は、筋トレをするアスリートがたくさん摂取することで知られている栄養素ですが、ダイエット中にも不足させたくないもの。
摂りすぎると過剰なエネルギー源(カロリー)になってしまうのですが、基礎代謝のカギになる筋肉を減らさないためには、不足なく摂取する必要があります。
また、肌や髪の健康のためにもタンパク質は欠かせません。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変わる「プロビタミン」です。
美容ビタミンの一種とも呼ばれるビタミンAは抗酸化作用を持ち、肌や粘膜の健康を保つために重要な栄養素です。
食物繊維は、お腹の調子を整える栄養素としてよく知られています。
これだけでもダイエット中には欠かせない栄養素なのですが、食物繊維には他にも、食事から摂取した糖質や脂質の吸収を邪魔する特徴もあります。
これによって、血糖値や血中の中性脂肪を上がりにくくさせるという性質と言われています。
血糖値の上昇が緩やかになると、長時間にわたって血中にエネルギー源が供給されることになります。
そのため、筋肉や脳がエネルギー不足を起こしにくく、満腹感が長持ちするとも言われているのです。
ただし、スピルリナを使った健康食品は、妊娠中に摂取したことで、赤ちゃんに健康被害があったという例があります。
使用の際には医師や管理栄養士に相談するのがよいでしょう。
糖質や脂質の代謝に必要な「ビタミンB群」
ダイエット系サプリメントの中には、ビタミンやミネラルを配合しているものがあります。
ビタミン類の中で、特にダイエットに重要なのは「ビタミンB群」です。
「ビタミンB群」にはいろいろな種類がありますが、特にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の3種類に注目しましょう。
一般的に「ビタミンB群」は、体内の代謝をサポートする栄養素として知られています。
ビタミンB1は、食事から摂取した炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるときに必要な栄養素。
ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変えるときに大切な栄養素です。
ダイエット中は、食事から摂取した炭水化物や脂質、そして体脂肪をエネルギーに変えていくことが大切になります。
そのため、これらの栄養素は不足しないように摂取して、しっかりエネルギーを消費していきたいところです。
また、ビタミンB6は、食事から摂取したタンパク質を筋肉に変えるために重要な栄養素。
ダイエット中の運動の効果を高めたり、キレイなボディラインを作ったりするためには、筋トレも大切です。
ビタミンB6をしっかり摂取すれば、筋トレの効率をアップする効果も期待できるというわけです。
女性におすすめの「ヘム鉄」
人体に欠かせないミネラルのひとつである「鉄」は、特に女性に不足しがちな栄養素です。
栄養素としての鉄は、一般的には赤血球の材料として知られており、不足すると鉄欠乏性の貧血を引き起こしやすくなります。
普段の食事でも不足しやすい栄養素のひとつですが、特に食事の量を減らしがちなダイエット中は鉄の不足が起こりやすいと言われているのです。
食事だけでは不足する分は、サプリメントから補うというのも、いい方法と言えるでしょう。
特に「ヘム鉄」と表示されている鉄は、身体に吸収されやすい形の成分なのでおすすめです。
貧血になると、脳や筋肉に酸素を十分に送ることができなくなるため、ダイエットの効率が落ちるのはもちろん、日常生活にも支障をきたすことがあります。
ぜひ、不足のないように摂取しましょう。
ちなみに、脂身の少ない牛肉や赤身の魚、青魚にもヘム鉄が多く含まれています。
ダイエット中は、エネルギー(カロリー)の制限も大切ですが、タンパク質や鉄の不足がないように、食事にも気をつけたいですね。
ダイエットサプリ(痩身サプリ)の成分とその期待できる効果のまとめ
ダイエット系のサプリメントや健康食品と言っても、配合されている成分によって期待できる効果はさまざま……ということがお分かりいただけたかと思います。
たとえば「日中にお腹がすいて、間食がやめられない」という場合と「お腹の調子が悪く、毎朝スッキリしない」という場合では、必要な成分も少しずつ変わってきます。
ご自身のダイエットの悩みに応じて「適材適所」のサプリメントや健康食品を選べば、ダイエットも効率よく進めることができるでしょう。
ぜひ、ダイエットの参考にしてみてください。
ダイエットサプリの成分 記事執筆者情報
ダイエットサプリに含まれる各成分の期待できる効果についての説明記事は、管理栄養士の資格を持つはじめ先生が執筆させていただきました。管理栄養士は、厚生労働省大臣が認定する国家試験です。(認定団体:厚生労働省)
【はじめ先生のプロフィール】
年齢:35歳
好きな食べ物:東南アジア料理、肉料理、お酒
趣味:サイクリング、食べ歩き
中学生の頃から料理が好きで、食への興味から栄養士の道を志しました。
大学卒業後は病院と福祉施設で、栄養士・管理栄養士として約8年勤務。
糖尿病のエネルギーコントロール食など、様々な病気に合わせた献立づくり・食事づくりや、減量・減塩などの食事に関するアドバイスを行ってきました。
ダイエットを頑張っている方に、管理栄養士の視点から、食生活や栄養成分に関するアドバイスを行っています。
みなさまのダイエットが成功し、健やかな日々を送っていただくためのお手伝いができれば幸いです
パッケージに書かれた原材料をチェックされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分に合った成分をしっかり選ぶことで、より効率的なダイエットが期待できます。
そこで今回は、ダイエット系サプリメントによく使用されている成分と、期待できる効果について説明します。