ヘアメイクアップアーティストがわかりやすく期待できる美髪効果を解説! ヘアケア商品の成分
目次
アニオン界面活性剤
水と油を分離させずに混ざり合わせる効果をもつ物質です。
シャンプーに使われることが多いです。
頭皮についた汚れや汗などはシャワーによる水洗で十分洗い流せるのですが、この界面活性剤が無いと頭皮にたまった皮脂汚れは綺麗に落とせません。
界面活性剤には、水に溶けるとマイナスイオンを帯びるアニオン界面活性剤、水に溶けるとプラスイオンを帯びるカチオン界面活性剤、プラスイオンとマイナスイオンの両方を帯びる両性界面活性剤、水に溶けてもイオン化しないノニオン界面活性剤の4種類があり、シャンプーには主にアニオン界面活性剤が含まれます。
カチオン界面活性剤
上記の通り、水に溶けるとプラスイオンを帯びる界面活性剤で、毛髪に被膜を作ることで、ブラッシングなどで受ける摩擦によるダメージを抑制してくれる成分です。
また、静電気を防止してくれるので、髪の毛にほこりや汚れが付くのを防いでくれます。
カチオンポリマー
毛髪表面に被膜をつくり、毛髪を保護する成分です。
カチオン化した高分子で、毛髪のひっかりやきしみを抑えて、シャンプーイングの際のダメージを弱めて毛髪をケアしてくれます。
カチオン界面活性剤と基本的な効果は一緒ですが、カチオン界面活性剤より毛髪に長く留まってくれるため、より高い効果が期待できます。
PPT(加水分解たんぱく質)
毛髪より流れ出てしまったたんぱく質を補う成分です。
毛髪に似たアミノ酸から構成されています。
高級脂肪酸
高級脂肪酸はロウの一種です。
天然油脂の構成成分で、これらを加水分解することで得られる油性成分なのですが、最近では石油から作られるものもあるので、ちょっと嫌われがちな成分です。
ラノリン
羊の毛から得られる固体ロウの一種です。
皮脂と似た成分を持つため、古くからヘアケア剤を始め、色々な化粧品に配合されていた成分ですが、アレルギーなどの皮膚障害の原因となることが最近わかったので注意が必要な成分です。
スクワラン
サメの肝臓の油から得られるスクワレンという不安定な物質に水素を添加し安定させた炭化水素という成分です。
皮膚への浸透性が良く、皮膚を柔らかくしてくれる力があるので、多くの化粧品に含まれています。
エステル油
脂肪酸エステルの一種で、粘度の低い合成エステル剤です。
ロウや油脂などの天然エステルの長所を生かして、短所を改善するために人工的に合成された成分です。
上記の通り、粘度が低いためヘアケア剤に配合しても毛髪が油っぽくべたべたし辛いのでヘアケア剤によく含まれています。
シリコン油
メチルポリシロキサンや、メチルフェニルポリシロキサンなどの、有機ケイ素化合物の縮重合体の粘土性の低いもののことです。
毛髪に被膜を作り、水を弾いてくれる性質があるのでよく配合されるのですが最近では嫌われてしまっている成分ですね。
ですが、ハイダメージ毛の方にはこのシリコン油が配合されたものの方がオススメです。
シリコンが配合されているからと言って毛嫌いするのはよくないですよ。
高級アルコール
ロウを加水分解して得られる油性原料です。
毛髪に被膜を作り、毛髪を柔らかくする効果が期待できます。
保湿剤
毛髪に起こってしまう静電気を防ぐ成分です。
こちらも色々な成分があり、最近では特にヒアルロン酸やコラーゲンなどの高分子の天然成分が配合されていることが多いですね。
オリーブオイル
言わずと知れたオリーブオイル(オリーブ油)。
オリーブから採れる油をこう呼びます。
お料理に使うイメージの強いオリーブオイルですが、イタリアなどでは古くから髪に馴染ませて使う方も多い成分です。
ですので、ヘアケア剤に含まれることも多いのです。
実はオリーブオイルはツバキ油と脂肪酸の構成成分がほぼ同じなのです。
直接毛髪やお肌に塗り込んでもいいですが、粘度が高いのでべたべたしやすく、付け過ぎには注意しましょう。
ツバキ油
上記に記した通り、オリーブオイルとほぼ同じ脂肪酸の構成成分を持つ植物油です。
その名の通りヤブツバキの種子から採れる油脂で、日本産のものは純度が高く、高い美髪効果が期待できることで有名です。
ヤブツバキ意外のツバキ属の種子から採取できる油脂はカメリア油と呼ばれ、ツバキ油とは区別されています。
オリーブオイルは主にイタリアの方のヘアケアに使われていましたが、ツバキ油は古くから日本の女性のヘアケア剤として親しまれています。
ツバキ油は酸化しにくく、劣化しにくいのが特徴なので安心して長く使える油脂として有名です。
ヤシ油
ヤシ油と聞くと馴染みがあまりないかもしれませんが、近年大流行中のココヤシから採れる脂、つまりココナッツオイルのことです。
そのため最近ではヘアケア商品に含まれることも多くなりました。
ココナッツオイルは保湿効果が高くいということで有名ですが、温度が低いと固まってしまう成分でもあります。
ヘアケア剤に含まれている際は低温での使用には注意しましょう。
ちなみに、ヤシ油にはアブラムシから採れるバーム油も含まれます。
成分表にヤシ油と表記されている際はバーム油の可能性も大いにあるので気をつけましょう。
アルガン油
アルガンノキいう植物の種から採れる植物油です。
モロッコの南西部でのみとれる油なのですが、大変貴重な油脂の為、このアルガン油が含まれるヘアケア剤は高価なことが多いです。
ですがその分、期待できる美髪効果は高いですよ!
保湿にすぐれているのにべたつかず、サラサラとしていることが特徴です。
ヒマシ油
トウゴマと言う植物の種から採れる植物油の一種です。
植物油の中では粘度がとっても高く、重い仕上がりになるのが特徴です。
毛髪がハイダメージを受け、乾燥し、広がってしまう方や、毛髪の軽さが気になる方はこのヒマシ油が配合されたヘアケア剤を使用するといいでしょう。
また、抗菌作用も期待できるので、頭皮のトラブルがある方にはオススメの成分とも言えます。
ヘアケア商品の成分 期待できる美髪効果のまとめ
シャンプーに含まれる成分よりも、リンスやコンディショナー、トリートメントに配合される成分が多いです。
リンスやコンディショナー、トリートメントには、過剰に失われた皮脂を補い、毛髪の表面をコーティングすることで毛髪の水分の蒸発を防ぎ、毛髪の乾燥を防いでくれる成分が数多く配合されています。
油性成分には様々な種類があり、これらの種類の組み合わせでほぼ無限です。
そのため美容を謳ったヘアケア商品の多くは、リンスやコンディショナー、トリートメントの方なのです。
こうして見てみると、美髪成分の代表格である植物油脂も多いです。
植物油脂とは、オリーブ油や椿油、アーモンド油、ヒマシ油などの、植物から採れる油のことです。
天然油脂のため、オーガニックに力を入れたヘアケア商品に多く含まれます。
上記にはない気になる美髪成分がありましたら、口コミ投稿フォームからご投稿ください。
その成分に期待できる効果の詳細をここで回答させていただきます。
ヘアケア商品 記事執筆者情報
トーノ先生
保有資格:色彩検定・メイクアップ検定
職業:ヘアメイクアーティスト
私は幼少のころバレエを習っており、発表会の日にヘアセットやお化粧をしていただきました。
その時今までみたことない自分の姿に感動し、この感動を私もいろんな人に届けたいと思い、ヘアメイクの道に進みました。
ヘアメイクの各種コンテストでも入賞経験があります。
テーマに合わせた創作メイクを一番の得意としています。
今ではフリーのヘアメイクとしてメディア撮影、イベントメイクを施しています。
お肌に関する悩みも相談されることが多いことから、化粧品やスキンケアに関する知識も豊富です。
今さら聞けないヘアメイクの基本から、少し専門的なことまで、情報の発信と私の施術で、皆様のきれいになりたいという願いを少しでも叶えられれば幸いです。
私は仕事柄どのようなヘアケア・美髪効果が期待できるのかをチェックしたり、価格と照らし合わせてコスパが良い商品なのかどうかをチェックしたりしています。
シャンプーやコンディショナーに使用されている原材料・配合成分がそれぞれの期待できる効果がわかれば、どのヘアケア商品が自分の髪の悩みにアプローチしてれくるのかがわかりますので、知っておいて損はありません。
ヘアケア商品に含まれている成分で主要なものをピックアップして解説させていただきますので、是非、気になる成分があればチェックしてみてください。